今朝2024年7月10日の日本経済新聞5面に「物流パレット規格統一」という記事がありましたので、概要と感想をまとめたいと思います。
↑日経新聞のリンクですが、有料記事です。
簡単に記事の内容を説明します…
国土交通省は荷物を載せて運ぶ「パレット」について統一規格を官民で初めて定め、物流の効率化を図る。
官民でまとめた統一規格は、1.1x1.1M四方で厚さが14.4~15cm 最大積載量1トンであり、
材質はプラスチックパレットを主軸とし木製パレットも「破損した際の修復が比較的容易」だとして認める。
レンタルで利用されているパレットのうち統一規格の割合を22年度の76%から30年度に85%以上まで高める目標を掲げ、年間のパレット生産数に占める統一規格製品の割合も22年度の26%から
30年度までに50%以上までに引き上げる。
NX総合研究所の試算によると、パレットを利用できる荷物で輸送や積み下ろしなどの作業時間は現在、年7.2億時間に上り、上記の規格パレットに切り替える事が出来れば作業時間は、年2.3億時間程削減できるとの事。
ここで少し記事とは逸れるのだが、諸外国では、どうなのだろうと目を向けるとパレットの統一化は、欧州では99%、アメリカが80%、韓国で50%まで進んでいる。
ユーザーごとの仕様に対する要求が細かいというのが日本の特徴で、標準化率は30%しか進んでいないようである。
荷主と物流会社のパワーバランスは日本では荷主の方が強く物流会社は荷主の以降に従う事が多い、且つ細かい要求に対し対応する日本人の国民性がこの結果に影響しているのかもしれない。
パレットの統一化は世界でも基本的な流れであり、記事を一読した時「パレットの統一化は難しいのでは」と感じた筆者も、この流れに従うべきであると考えを改めた。人材難、物流コストが増加する中荷主と物流会社のパワーバランスは徐々に変わりつつあるのかもしれない。
話題を記事に戻す…現状日本では、業界毎に独自のパレット(例えばビールなどはビールパレットという統一規格とは異なるサイズが普及している)が使われており、統一規格切り替えにはコストや手間がかかり「容易ではない」と業界幹部から声があがり、統一規格の導入が難しい場合は当面「導入を期待する」に留めている。
国交省は現在違った形のパレットを使っている事業者が統一規格に切り替えれるよう、作業ロボや棚の整備などの支援策を検討するとともに、レンタルパレットの管理を効率化する為、タグやバーコードなどの管理システムも導入を促す政策が出来ないか話し合っていく方針であるという。
さて、以上が簡単にまとめた記事の内容です。
小ロット多品種を生産する弊社としては耳の痛いニュースですが、プラスチックパレットの耐荷重はどんなに重くてもせいぜい1トン~2トン程度が限界でありますので、重量物を取扱う事が多い弊社といたしましてはあまり影響もなく、また各社で拠点経由をせず、直接チャーター便で持ち込むお客様が多いので、やはり各製品に合わせたパレットというのは今後少なからず必要だと思われます。
今後各混載便を扱う物流業者等は、統一規格でないパレットを配送する場合、追加チャージを取るか、又は統一規格パレットを使用する場合の割引をするといった流れになるのでしょうか。
それは物流各社が足並みを揃えなければ中々難しい流れでもあります。
欧米諸国がどうやって80%以上の統一規格導入達成したのかも気になる所でもあります。
弊社では勿論統一規格のパレットを作成する事も可能でありますので、お気軽にお問合せ頂けたらと思います。