弊社は10月より第62期を迎えました。
日本では、新たに設立された企業の約半分が3年以内に姿を消してしまうというデータがあります。
50年を超えてくると、企業の生存率は0.数パーセントの世界ですので、長く企業を続けることがいかに難しい事であるかと思い知らされます。
日本の企業の約99%は私たちのような中小企業であり残りの1%は大手企業というので中小企業がいかに皆様の生活に深く関係しているのかをこの数字から感じて頂けるかと思います。
その中小企業では本業での課題は勿論の事、後継者、人手不足、資金繰り、原材料高騰…様々な事が社長の頭を悩ませているのではないでしょうか。
弊社も62年企業活動を続けてこられたのは先代や、従業員の方々の努力の賜物である事は言うまでもありませんし、私共を信じて取引を続けて下さるお客様や協力会社、社員の家族の方々の力であると日々実感している次第であります。
初心を忘れずこの62期も乗り越えていければと考えております。
さて今日は私が20代の時に感銘を受けた詩をここで紹介したいと思います。
当時の私は完璧である事を追い求め自分は勿論、相手にも完璧である事を要求し、
いつも緊張し張り詰めた人間であったかと思います。
そんな私がふと読んだ詞で吉野弘さんの「祝婚歌」という詩です。
本来は結婚式等で読まれることがあるのですが、日々の人間関係の中でも同じような事が言えるのではないでしょうか。
祝婚歌 吉野弘
二人が睦まじくいるためには
愚かであるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと
気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで 疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には 色目を使わず
ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
完璧である事が不自然な事であるというのが、当時の私にとって救いになった言葉でありました。
そして「正しさ」という事がいつも何かを助けるわけではなく、人を深く傷つけてしまう武器になってしまうという事にも気づかされました。
皆様はいかがでしょうか、そういった他者への思いやり一つで世界は少しづつ変わっていくのかもしれません。
2022年も後少しとなりました。
このまま「無理な緊張には色目を使わず」日々を過ごしていきたいと思います。